手がけた作品が70本以上という多作家の映画監督がいるのをご存知だろうか?
監督デビューの1968年から1999年に至るまで、30年以上も作品を発表し続けたアラン・スミシーとはいったい何者?写真はウィキペディア コモンズより
監督作70本以上!しかし、ヒット作はなし?
アメリカの映画界で30年間に渡って70本以上の作品を生み出している映画監督アラン・スミシー。しかし、手がけた作品を見るとどれもパッとしない、マイナーな作品ばかり。なぜこんなに映画を作り続けていられるのか?
実はこのアラン・スミシーという人物、存在しないのだ。
全米監督協会は、映画から監督のクレジットを外すことを許可していない。そのため、映画の制作中になんらかの理由があって、監督が途中で降板してしまった場合などに、監督クレジット部分にアラン・スミシーという名をあてはめる措置がとられてきたのだ。
この名前が最初に使われた作品は、1968年の「夏の日にさようなら」で、1998年には、アラン・スミシー名義の「
アラン・スミシー・フィルム」が
ラジー賞を5部門獲得している。
そのほかにも、「
クライシス2050」「ハートに火をつけて」など、アラン・スミシー名義の映画があるが、どれも制作途中にスタッフが空中分解してしまったようなものばかりなので、やはり作品の中身はどれも微妙だ。